労働基準法 第39条 — 全文 2,542 字(空白を除く)
有給の買取は、
条文に一行も書かれていません
「退職するとき、残った有給は買い取ってもらえますか?」—— 年次有給休暇を定めた労働基準法第39条を全文取ってきて、「買」という字を探すと0回です。「換金」も「金銭」も0回。 つまり買取は法律上の権利ではなく、会社が応じるかどうかの任意です。断られても違法ではありません。 条文が代わりに保証しているのは、請求した時季に休ませる義務と、休んだ日に賃金を払う義務の2つです。 買い取ってもらう相談をする前に、その2つが自分にとっていくらになるのかを確かめてください。
条文全文を走査した結果
2026-09-06 に e-Gov法令検索のAPIから取得した第39条の本文2,542字に対して、そのまま文字列を数えたものです。 要約でも解釈でもありません。字数の数え方は「条見出し「(年次有給休暇)」から末尾まで、空白を全て除いて数えた字数」で、 同じ数え方をすれば誰でも同じ数になります。
| 探した語 | 出現回数 |
|---|---|
| 買 | 0 回 |
| 買取 | 0 回 |
| 買上 | 0 回 |
| 換金 | 0 回 |
| 金銭 | 0 回 |
| 精算 | 0 回 |
| 清算 | 0 回 |
この表は当サイトの意見ではなく、e-Gov法令検索で誰でも同じことができます。条文の何項に何が書いてあるのかを、10項ぶん並べたページはこちら →
あなたの場合を計算する
入力はブラウザの中だけで処理していて、どこにも送信していません。 買取額は計算しません(条文に決め方が無いためです)。 出すのは「いつ消えるか」と「使い切ったらいくらか」の2つです。
買い取ってもらえますか?
条文上の権利としては、いいえです。労働基準法第39条は年次有給休暇について10の項を置いていますが、その全文 2,542字(条見出しから末尾まで、空白を除いて数えた字数)のなかに「買」という字は一度も出てきません。 買取に応じるかどうかは会社の任意で、断られても違法ではありません。条文を実際に走査した結果を見る →
一方、条文がはっきり定めているのは次の2つです。どちらもあなたの側の話なので、 買取を頼む前にここを確かめてください。
① いつ消えるか(労働基準法第115条)
② 使い切ったらいくらか(労働基準法第39条第9項)
条文は3つの方式を並べていて、どれになるかは就業規則で決まっています。 自分で選べるものではないので、就業規則の「年次有給休暇」の項を確認してください。
| 方式 | 1日あたり | 残日数ぶん | 条文 |
|---|---|---|---|
| 平均賃金 就業規則などでこの方式を定めている場合 | 9,782 円 | 117,384 円 | 労働基準法 第39条第9項 / 第12条第1項 |
| 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金 就業規則などでこの方式を定めている場合(いちばん多い) | 15,000 円 | 180,000 円 | 労働基準法 第39条第9項 |
| 標準報酬月額の30分の1 労使協定でこの方式を定めた場合にかぎる | 10,000 円 | 120,000 円 | 労働基準法 第39条第9項ただし書 |
同じ残日数でも、方式が違うだけで 62,616 円 の差が出ます。「有給を消化すると損」と思っている人は、 自分の会社がどの方式かを一度も見ていないことが多いはずです。
この表は使い切った場合の金額です。買取額ではありません。 買取の金額の決め方は条文に無いため、会社の提示額がこの表と一致する保証はありません。3方式の条文と計算式を見る →
会社は「休ませない」を選べません(第39条第5項)
要約していません。2026-09-06 に取得した条文そのものです。
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。 ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
前段が原則です。後段のただし書で会社にできるのは「他の時季にこれを与えること」だけで、与えないという選択肢は書かれていません。 「忙しいから買い取るしかない」と言われたときに、 条文が実際に用意しているのは買取ではなく時季をずらすことである、 という点は押さえておいて損がありません。
2年で消えます(第115条)
「有給は2年で消える」はよく聞きますが、その2年は年次有給休暇の条文ではなく、 時効の条文に書かれています。
この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
この一文は2つの期間を並べています。賃金の請求権は5年、賃金の請求権を除くその他の請求権は2年です。 年次有給休暇を請求する権利は賃金そのものではないので、後ろの2年に入ります。起算日と満了日の数え方(民法第140条・第143条)を見る →
休んだ日の賃金は3方式(第39条第9項)
長い一文ですが、読むべきところは「就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより」です。 方式を決めるのは会社の規則で、あなたでも上司でもありません。
使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。 ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
出典一覧
本サイトの数字と条文は、すべて 2026-09-06 に下記から機械で取得したものです。 人が書き写した箇所はありません。
- 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)/ 第12条(平均賃金)・第39条(年次有給休暇)・第115条(時効)— e-Gov法令検索 法令API v1
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)/ 第140条(期間の起算点)・第143条(暦による期間の計算)— e-Gov法令検索 法令API v1
本サイトは条文の原文と、そこから機械的に導ける計算だけを扱います。 買取に応じるかどうか、いくらで買い取るか、税務上どう扱われるかは労働基準法に定めが無く、 当サイトでは判断しません。実際の取り扱いは就業規則を確認し、 争いになりそうなときは勤務先を管轄する労働基準監督署にご相談ください。